千葉大学大学院医学研究院先端応用外科学-食道胃腸外科・乳腺甲状腺外科・移植外科-Department of frontier surgery,Graduate school of medicine, Chiba University


食道癌に対する放射線併用樹状細胞腫瘍内局注による免疫療法

当科では食道癌患者さんを対象に放射線併用樹状細胞腫瘍内局注療法を行っており、現在、この治療をご希望される患者さんを募集しています。ただし、この治療は「臨床試験」であるためどんな患者さんでも受けられるわけではありませんのでご注意ください。また、治療は研究費によって行われるため、患者さんの費用負担は基本的にはありません。

免疫療法のしくみ

ヒトの体の中にも癌を攻撃・破壊するリンパ球(細胞障害性T細胞と呼びます)があることが証明され、このリンパ球は、あるきまった「がん細胞」が持っている「がん抗原」を捕食した樹状細胞によって活性化されることが知られています。このしくみを利用したものが樹状細胞療法で、体の中でがんを攻撃・破壊するリンパ球を増やし、癌の治療を行おうとする新しい治療法が欧米を中心に世界各国で試みられています。
さらに、その活性化は、放射線を併用することでさらに増強されることもわかってきました。そこで、この樹状細胞療法に放射線を加え、さらに放射線で弱らせたがん組織の中に直接樹状細胞を投与する方法が「放射線併用樹状細胞腫瘍内局注による免疫療法」です。

食道癌に対する免疫療法について

この試験に用いる放射線は通常の食道がん治療に使用されるものと同じです。樹状細胞は患者さんご自身から一部の血液成分を抽出し、病院内の無菌培養室(セルプロセッシングセンター:CPC)で厳格に管理されて培養されます。放射線照射と投与した樹状細胞によって免疫反応が誘導され、それによってがん組織が攻撃され、抗腫瘍効果が期待されます。

治療への参加条件

この試験を受けるためには次の6つの重要な基準を満たす必要がありますので、ご確認ください。

  1. あなたが、がん以外の重篤な病気にかかっておらず、全身状態が安定していること。
  2. あなたのがんを、生存期間を延長すると証明された方法で治療することが難しくなっていること。すなわち標準治療とされる治療を受けずにこの治療を先に受けることはできません。
  3. 樹状細胞を投与できる腫瘍があること。
  4. 登録時の年齢が 20歳以上75歳未満であること。
  5. 適切な臓器機能があること。
  6. これまでにがん病巣に放射線を照射していないこと。

臨床試験の治療スケジュールについて

実際の治療は、食道がんもしくは転移巣に放射線を照射し、そこに樹状細胞を直接注射します。食道がんの本体が残っている場合は内視鏡で注射します。毎週月曜日から金曜日の5日間の放射線照射を4週間続け、その期間中に樹状細胞を毎週金曜日の放射線終了後に注射します。樹状細胞の投与は毎週1回行うので合計4回になります。これら4週間にわたる一連の治療を1コース行います。

臨床試験の治療スケジュールについて治療のイメージ図

お問い合わせ先

この臨床試験について詳しくお知りになりたい場合はこちらへ

千葉大学大学院医学研究院先端応用外科学
講師 阿久津 泰典

TEL:043-222-7171
FAX:043-226-2113