千葉大学大学院医学研究院先端応用外科学-食道胃腸外科・乳腺甲状腺外科・移植外科-Department of frontier surgery,Graduate school of medicine, Chiba University


教授挨拶

教授 千葉大学大学院医学研究院 先端応用外科
教授 松原久裕

2012年、平成24年が静かに始まりました。
昨年の始まりと全く違ったものを皆様が心の中に感じていると思います。2011年はまさに激動の年でありました。3月11日にあのような大地震それに引き続いた巨大津波をその正月に誰も考えていなかったと思います。さらに福島の東京電力による原子力発電所の事故により単なる被災地の復興だけではなく日本の電力の将来、ひいては日本の国家像についても真剣に考えなくてはいけない状況になりました。その他にも世界ではアルカイーダのウサマ・ビンラディンの死亡、リビアにおけるカダフィ大佐の殺害、ギリシャの崩壊、北朝鮮における金成日の死去と東日本大震災がなければその1つずつが大事件である、これらのことが次々と起こった激動と言う言葉がこの年のために存在するかのような1年でありました。 

 震災直後は種々の催事等が自粛され、日本外科学会も中止になりました。ゴールデンウィークの頃から復興と言う意味からも世間の自粛ムードは徐々に元の状態に戻って行きました。当科では恒例の花見は震災直後で計画停電などの影響もあり中止とし、例年5月に行っている医局旅行は自粛という意味ではなく、まだ大きな余震が続いていたため医局員をはじめとした参加者の安全、業務への影響という面から延期としました。このことは必用なことは自粛しない、自粛できるものは不要だという私の信念に基づき決断したものです。この考えから医局旅行を復興という意味からも場所をあえて被災地に近い栃木の川治温泉へ決定し9月に行いました。

 今回の大震災は「一寸先は闇」という言葉を皆、再認識した出来事であり、私自身としてはその結果として一歩ずつ着実にできることを精一杯行うことが最も大事なことだと再認識した次第です。本教室の最重要課題は今の患者さんのための診療、将来の患者さんのための教育・研究を最高レベルで行うことだと確信しています。これを日々続けることがとても大事だと肝に銘じ、また新しい年を過ごしていきたいと考えています。

 写真は米国サンフランシスコに学会で行ったときに見た光景です。右側の空きビルは元ヴァージンメガストアという世界でも最大級のCDショップがあった建物です。

米国サンフランシスコ

反対側はその頃なかったアップルストアでヒトが行列していました。アップルコンピューターの創始者の1人であるS.ジョブスが亡くなられたことも2011年の重要な出来事でしたが、この光景はCDからダウンロードへと言うイノヴェーションの重要性をまざまざと見せつけるものでした。日本の医薬品の輸入超過は年間1兆円を超えるようになりました。

DRAUG IMBALANCE

新たなイノベーションを本教室から発信できるよう頑張っていきたいと思います。本年もよろしくお願い申し上げます。
(2012年千葉大学第2外科・先端応用外科同門会誌 巻頭言より)